新潟大学大学院 自然科学研究科

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専攻・研究

修了生

渡辺 信嗣博士後期課程 2006年3月修了
材料生産システム専攻
機能材料科学コース
国立大学法人 金沢大学
ナノ生命科学研究所 准教授 博士(理学)
渡辺 信嗣

 私は、新潟大学で2006年に博士号を取得しました。現在は金沢大学で教員をしています。
 学部4年の卒業研究のときに、自分で手を動かして課題を解決してゆくことが楽しくて、博士前期・後期課程へ進学しました。博士前期課程では、与えられた課題を分析し、試行錯誤して実際に課題を解決していくプロセスを体験します。博士後期課程では、与えられた課題だけでなく、課題自体を自ら見出すことも重要となります。時には、学内外の研究者と共に解決することもあります。
 このように自らの課題を通じて研究者としての資質を習得できたことが、現在の私の基盤となっています。今の時代は変化が速く、容易に得た知識はすぐに陳腐化します。それゆえに、自らが持続的に成長し、自らが設定した困難を解決して社会に新しい価値を提供することが、ますます肝要となっています。このプロセスは困難ではありますが、同時に自分の人生を豊かにしてくれる楽しみでもあります。これは、最先端の研究に携わって痛感していることです。


谷 賢太朗博士後期課程 2015年3月修了
電気情報工学専攻
人間支援科学コース
新潟医療福祉大学
医療経営管理学部 医療情報管理学科 助教
博士(工学)
谷 賢太朗

 2015年に新潟大学大学院(博士後期課程)を修了し博士号を取得しました。大学院では避難行動のコンピュータ・シミュレーションを行っていました。研究室では自分の研究はもちろんのこと先輩や同期、後輩の研究についても意見を交し合うことで、お互いに完成度を高めていくことができました。自分の専門外の研究について理解し、意見を交わすことで物事を多角的に見る視点や、課題発見能力などが磨かれました。
 現在は新潟医療福祉大学において教員として勤務しており、学生に対して指導を行う立場となりました。大学には様々な個性を持つ学生たちがいます。また様々な解決すべき課題もありますが、それも人それぞれです。こういった学生たちと向き合う上で、大学院時代に養われた多角的な視点や課題発見能力が活きていると感じています。
 大学院での生活は自分にとって研究だけでなく人間としての成長も促してくれた貴重な経験でした。


金田 佑哉博士後期課程 2018年3月修了
数理物質科学専攻
物理学コース
株式会社ブレインパッド 博士(理学)
金田 佑哉

 2009年から9年間、新潟大学に所属し博士号を取得しました。大学院では素粒子物理学を研究していました。素粒子物理学に限らず最先端の研究では、どの分野においても誰も知らない現象を自分自身で明らかにしなければなりません。そのための課題選択は非常に重要です。私はここに長い時間がかかりました。しかし、共同研究者をはじめ同僚との活発な議論によって自分が面白いと思える課題を見つけることができました。時間を忘れ長い時間議論する事はかけがえのない経験だった共に、議論の重要性を実感する経験でした。
 これまでの大学院生活は現在の業務との共通点が多く、多くの場面で業務の助けになっています。現在は、データサイエンティストとしてビッグデータを扱いお客様の抱える様々な問題を解決するためのお力添えをする企業で働いています。特に、発展性のある研究を実際の分析業務に落とし込むための研究開発を担当しています。特に、弊社では博士号取得者の能力を高く評価していて、私の所属する部署では全体のおよそ20%を博士号取得者が占めています。研究開発で扱うような分野は技術の発展が日進月歩で、博士課程で培ったキャッチアップする能力や、課題発見能力、議論する力が重要です。博士課程で今日の業務にも通ずる上記のスキルを身に付けることができた事は、非常に有益な経験だったと思います。
 これらの能力を学べる環境が自然科学研究科にはあります。そのチャンスを是非手に入れてください。皆さんの実りのある大学生活を願っています。


外舘 隼一博士前期課程 2008年3月修了
材料生産システム専攻
素材生産科学コース
三菱ケミカルエンジニアリング株式会社
修士(工学)
外舘 隼一

 2008年に新潟大学大学院(博士前期課程)を修了し、三菱ケミカルエンジニアリングに勤めて12年目になります。入社以来、医薬・化学プラントの見積から建設、試運転、お客様への引き渡しまで、プラント建設を一貫して実施する部門に所属し、現在はプロジェクトマネジャーとしてプロジェクト全体の取り纏め業務を行っています。限られたコスト、時間の中でお客様の要望と設計思想を反映した図面を作成し、各専門の担当者と設計をまとめ、工事施工会社の方と協力して図面から現物が出来上がっていく過程は非常にやりがい、楽しさを感じる部分です。また、同時に試運転をして思想や設計の正しさが証明された際はうれしく、時には誤りが結果として現れる厳しい面もあります。
 大学院の研究では下水廃棄汚泥の減容化の一つの方法である、メタン発酵に及ぼす超音波処理の影響に関する研究を行いました。メタン発酵は研究室で初めて扱うテーマで、実験方法や評価方法を指導教員や共同研究先の企業、後輩の学生と相談しながら取り進めました。1回の実験に約3週間かかるため、如何にサンプル数を増やし期待する比較データを得るか、実験の目的や条件設定といった事前の検討、計画を詰めることに注力しました。目的を明確にし、それを達成するための事前検討・計画の内容を詰め、実行する一連の流れは、社会人(特にプラントエンジニア)にとって重要で、日々の業務を行う上で大きな助けになっている部分です。
 今考えると大学院では2年間ほぼ同じ環境、テーマで研究に取り組める貴重な機会だったと感じています。