新潟大学大学院 自然科学研究科

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専攻・研究

留学生・在学生

留学生

Q1. 現在、大学院においてどのような研究をしていますか。
Q2. 将来の目標はどのようなものですか。
Q3. これからの新潟大学大学院に留学する人へのメッセージをお願いします。

ムハッマド 材料生産システム専攻
素材生産科学コース
博士前期課程
ムハッマド ナビル ビン マッド サリ

A1. 途上国の工業化・都市化や人類の需要の増加に伴い、重金属元素の消費量が膨大に増加しています。ファイトレメディエーションは、植物が成長する過程で作物のバイオマスに汚染物質が蓄積されます。これらの植物を収穫すると、高濃度の汚染されたバイオ廃棄物が発生し、取り扱いを誤ると容易に二次汚染源となる可能性があります。そのため、ファイトレメディエーション後の植物の処分方法について検討することが重要です。一般に、重金属を含む植物は焼却処分されます。私の研究では、植物組織からの金属回収の予備的アプローチとして、植物の有効利用および処理廃液の再利用を開発するために、ファイトレメディエーション後の植物からCdおよびZnの抽出実験を試薬(酸または塩基)の違いで実施しています。

A2. 私の現在の短期的な目標は、エンジニアリングの知識とコミュニケーション能力を日本の企業で開発し、活用することです。
 この目標に向けて、私はチームプロジェクトでリーダーシップを発揮して、毎年新潟大学で開催されるリーダーシップ会議に出席することで専門的なキャリアを積んでいきたいと考えています。

A3. 新潟大学は、学生が産業界で活躍するために必要な勉強ができる環境を整えています。新潟大学で過ごした時間は、私の視野を広げ、将来必要とされるサバイバルスキルを教えてくれました。自分の目標を達成するまでには時間がかかるかもしれませんが、いずれは達成できるはずです。夢に向かって辛抱強く努力すれば、夢は必ず叶います。

オウ ウケン 電気情報工学専攻
人間支援科学コース
博士後期課程
オウ ウケン(王 禹萱)

A1. 私は視覚探索における眼球運動の効率性を明らかにする研究を行っています。視覚探索は複数の文字群の中から唯一の特定ターゲットを視覚的に見つけ出すことを指します。文字数が増加しても特定ターゲットの探索時間は大きく増加しないことがヒックの法則として知られており、人の視覚探索は効率的に行われています。私の研究は、視覚探索を効率化する眼球運動の機構を解明することであり、そのために私は注視点の軌跡をネットワークでモデリングしました。このモデルは注視点がネットワークの上を動いてターゲット探索するものであり、実際には見えないネットワークの特徴を使うことで視覚探索時の効率性を説明することができます。

A2. 将来は異分野の研究者と議論ができる研究者になりたいです。私は、留学中に言語と文化が異なる人々と幅広い課題について議論し、高度な言語能力とコミュニケーション能力、グローバルなビジョンを身につけたいと思っています。また、私は研究活動を通して身につけた知識や経験を活かし、日本と中国の大学と研究所の学術交流を促進して、持続可能な連携関係の構築に貢献したいと考えています。

A3. 新潟大学には経験豊富な教員が多く、快適な学習環境と美しい自然景観を備えた大学です。世界各国から集まった留学生が、異文化交流し学んでいます。自然科学研究科では、幅広い分野と高度な技術を学ぶことができます。将来、より良い自分を作りたい方は、新潟大学で学ぶことによって、楽しく充実した時間を過ごすことができるはずです。

在学生

Q1. 現在、大学院においてどのような研究をしていますか。
Q2. 将来の目標はどのようなものですか。

住吉谷 瞭歩 材料生産システム専攻
機能材料科学コース
博士後期課程
住吉谷 瞭歩

A1. 理論的な立場から磁性や超伝導といった物性の発現機構を明らかにする研究を行っています。物質の持つ電気的・磁気的な性質を決定づけるのは、結晶中を運動する電子の振る舞いです。研究では、電子の微視的な運動の土台となる量子力学と、集団としての巨視的な振る舞いの土台となる統計力学を用いて対象物質のモデルを構築し、現象の満たす方程式を解析的に導いて、数値計算に基づいて物性を明らかにします。
 現在は、ある特殊な磁性状態寸前の物質に対する超伝導の発現機構について研究を行っています。既に観測されている現象の未解明なメカニズムを明らかにすること、そして、新たな物性の提案を目指して、これからも研究を続けていきます。

A2. 研究者として「この人だからこそ頼みたい」といわれるような人材になりたいです。そのために、物理学を中心により一層知見を広げ、様々なアプローチを以って研究に挑んでいかなければならないと考えています。また、自分の研究による発見や提案が、新しい材料の発見に貢献するような役割を担えるようになりたいです。

佐藤 和平 環境科学専攻
災害環境科学コース
博士後期課程
佐藤 和平

A1. 埼玉県の旧利根川流域に分布する特異な内陸砂丘である河畔砂丘について、その形成要因に迫る研究をしています。日本では他にもいくつかの河川沿いに河畔砂丘が分布していますが、旧利根川流域の河畔砂丘は分布の広さ、地との比高の違いなど格段に大きな規模を有しています。なぜ旧利根川流域にだけ大規模な河畔砂丘ができたのか、後背地における火山イベント、関東平野の造盆地運動との関連を考慮にいれながら解明したいと考えています。
 本研究は大規模火山噴火に伴うラハールの影響がどのように及ぶかの一例を示し、減災に役立つものと信じています。私は高校教員を退職した社会人学生ですが、本大学院は社会人ドクター学生を推奨しており、職場にはない恵まれた研究環境で研究できています。

A2. 旧利根川流域だけではなく、日本の河畔砂丘全体を調査研究することによって、河畔砂丘が形成される要因を一般化するとともに、それぞれの砂丘の地域性を明らかにしたいと考えています。

大塚 招吾 数理物質科学専攻
化学コース
博士前期課程
大塚 招吾

A1. 私が大学院で行っている研究は、有機太陽電池における効率低下の原因を解明するための測定装置を開発することです。近年では環境問題の観点からクリーンな発電方法が求められており、その中でも太陽光発電が期待されています。太陽電池にはいくつか種類があり、シリコンを用いた無機太陽電池が現在の主流です。コストや柔軟性などの点から、炭素を含んだ化合物を用いた有機太陽電池が次世代の太陽電池として期待されています。しかし、未だ太陽光を電気に変える効率が低く、改善が求められています。私は、交流印加電圧に対する応答電流を測定する装置を用いて、太陽電池内の電子の挙動について調べています。

A2. 現在、研究にも用いている半導体に関わるような職業に就きたいと考えています。私は、高専から編入する形で新潟大学に入学しました。編入前後で研究内容は変わりましたが、どちらも半導体を用いた研究を行ってきました。
 その経験を通して得た知識や経験を生かせる半導体に関連した職業で、社会に貢献していきたいと考えています。