新潟大学大学院 自然科学研究科

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専攻・研究

環境科学専攻

環境科学専攻

 本専攻では、日本の代表的な多雪地域で日本海に面する新潟から東北アジア、さらには地球的規模までといった幅広い領域を対象としてその環境と構造を探求し、グローバルな視野で地圏・水圏・生物圏と人間社会との相互関係を理解し、研究の最前線の体験を通して自然環境から都市・農山村環境を創り出せる独創性に富む人材の養成を行います。また、外国人と十分意志疎通のできる国際性豊かな人材を育てます。

自然システム科学コース

博士前期課程

 博士前期課程では、基礎理学の学習で得られた知識を適用し、グローバルな視点から環境システムの成立および維持機構を多角的視点から解明できる人材の育成を行います。このために、地球の気圏、水圏、地圏における物質循環、エネルギー転換のメカニズム、生物圏における生物多様性の実体解明とその維持機構を、物理学、化学、生物学、地球科学的視点から解析し、環境における諸問題を科学的に解明するための方法や考え方を学びます。

博士後期課程

 博士後期課程では、地球の気圏・水圏・地圏における物質循環メカニズムや生物圏における生物多様性の維持機構などを基礎理学的視点から解析し、環境の諸問題を科学的に解明するための教育・研究に取り組みます。具体的には、水循環を含む大気・海洋現象の解析、汚染物質を含む物質循環の把握、機能性素材の開発、地質の形成過程や地質災害原因の解明、および地球上の生物多様性の維持機構、生物の環境適応機構などについての学術研究と専門教育を行います。

流域環境学コース

博士前期課程

 博士前期課程の教育と研究は、農林業地域を含む流域を一単位と位置付け、地域の自然環境に調和した持続的な農林業の生産活動と、そのバックグラウンドである生態学的な機能と構造に焦点をあてます。具体的には、技術者や研究者を目指す前期課程の院生に、農業生産基盤の整備と農業食料工学の活用、森林科学と生態学の分野における生態系の再生や創出に関する基礎的・応用的な教育を行います。

博士後期課程

 博士後期課程の教育と研究でも、農林業地域を含む流域を一単位と位置付け、地域の自然環境に調和した持続的な農林業の生産活動と、そのバックグラウンドである生態学的な機能と構造に焦点をあてます。具体的には、研究者や技術者を目指す後期課程の院生に、農業生産基盤の整備と農業食料工学の活用、森林科学と生態学の分野における生態系の再生や創出に関する先進的な専門教育を行います。

社会基盤・建築学コース

博士前期課程

 博士前期課程では、都市と人間および自然環境との持続可能な共生システムの構築を目指し、社会基盤工学・建築学・都市工学に関する基礎的な知識と、豊かな計画・分析・解析力をもった環境創造技術者および建築家を養成します。具体的には、社会基盤施設・建築構造物の構築技術、都市などの空間の構成・設計計画手法、自然・人工環境の解析・評価技術などに関する教育研究を対象としています。

博士後期課程

 博士後期課程では、都市と人間および自然環境との持続可能な共生システムの統合的構築を目指し、これを実現する工学的技法、建築学・都市工学・土木工学に関する教育研究を行います。さらに、課題探求力と問題解決力を兼ね備え、学術上の優れた成果を得ることができる高度な研究者・技術者・建築家を養成します。

地球科学コース

博士前期課程

 博士前期課程では、人類をとりまく重要な環境要素である陸域や海洋底の地層・岩石・鉱物・化石などを対象に、それらのマクロ的・ミクロ的特質を野外地質調査に根ざした地質学的研究手法で探究し、岩圏と生物圏それぞれの性質と相互作用を地球の歴史的視点から解明します。この解明を通じ、国土の防災・開発、地下資源の探査、持続性社会の構築、学校・社会教育、観光など幅広い分野で社会に貢献できる人材を育成します。

博士後期課程

 博士後期課程では、陸域や海洋底の堆積層、岩石、鉱物、化石などを対象に、それらのマクロ的・ミクロ的特質を最新の研究手法で探究し、岩圏と生物圏それぞれの性質と相互作用を、物質科学、歴史科学、形の科学的視点から総合することにより、地球システムの根本原理の解明を目指します。世界の先進的な教育研究機関と連携して研究活動を展開することにより、国際的に活躍する研究者および技術者・教育者を養成します。

災害環境科学コース

博士前期課程

 博士前期課程では、人間の生活基盤である都市から中山間地にかけての雪氷・斜面・洪水・津波・火山災害について基礎研究を行います。研究姿勢と大学院において必要な知識を習得し、研究テーマを決定します。現地調査の実施は必須です。観測、試料採取、実験・分析、数値シミュレーション等を通して基礎的な研究を含む研究活動を通し、防災分野の研究者、技術者および行政担当者、さらに関連する領域に広く貢献できる人材を養成します。

博士後期課程

 博士後期課程では、雪氷・斜面・洪水・津波・火山災害、また複合災害について履歴解明、発生機構・予知予測などの環境変動・社会変化に関連したオリジナルかつ先端的な研究を実施し、災害科学分野における顕著な成果を挙げ博士学位の取得を目指します。これらの研究活動を通して防災分野における研究者、技術者および国、自治体および国際機関における行政担当者、さらに関連する領域に広く貢献できる人材を養成します。

フィールド科学コース

博士前期課程

 博士前期課程では、フィールド科学の専門的知見や社会科学や人間科学の素養を備え、環境変化に伴い地域社会が直面する諸問題に対処し、豊かな自然・社会生活環境の再生・活性化に貢献する中核リーダー(Core leader)となる人材を育成します。このために、海洋学、気象学、地形学、地質学、生態学、森林科学、自然共生科学、保全生物学、災害科学に関する科学的知識・技術を学び、地球規模から新潟地域までを広く対象とした研究を通じて、課題探求力と問題解決能力を養います。

博士後期課程

 博士後期課程では、フィールド科学の専門的知見・能力を有し、社会科学・人間科学的な観点を踏まえて、グローバル~ローカルな環境変動に伴う地域社会の諸問題に対処し、豊かな自然・社会環境の再生・活性化を牽引できる上位専門職・研究職を養成します。この目的を達成するために、先端的・学際的で超域的なフィールド科学に関する研究を通じて、自然環境と人間社会との相互関係を理解するための広い視野、専門知識、高度な課題探求力・問題解決能力を修得します。