新潟大学大学院 自然科学研究科

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専攻・研究

若手研究者

Q1. 現在の研究内容を教えて下さい。
Q2. 学生へのメッセージをお願いします。

後藤 真一数理物質科学専攻
化学コース
准教授 博士(理学)
後藤 真一

A1. 自然界に存在する最も原子番号の大きい元素は92番元素のウランですが、それよりも原子番号の大きい元素を得るには核反応により人工的に合成しなくてはならず、現在、118番元素までの合成が報告されています。このような元素のうち104番元素ラザホージウム以降の元素を超重元素と言い、合成確率が極めて小さく、寿命が短いため、化学実験を行う際はたった1原子しか扱うことができません。これは通常の化学実験で取り扱う1020原子とくらべて非常に小さいスケールです。私たちの研究室では、超重元素の化学的性質を調べるための実験手法の開発や反応系の探索について研究しています。普段は周期表上で超重元素と同じ「族」に属する化学的性質の似た元素を用いて模擬実験を行い、最適な実験条件を見つけたら、学外の加速器施設で実際に超重元素を対象とした実験を行います。当然ながら取り扱っている物質を目にすることはまったくできず、数百~数千回もの操作を繰り返してようやく測定装置にピークが現れるという実験です。現在は、104~106番元素を対象として研究していますが、どこまで原子番号の大きい元素が存在するのか、そのような元素はどのような化学的性質なのかという限界に挑んでいきたいと考えています。

A2. 大学院での2~5年は、研究漬けの生活を送ることができる貴重な時期です。この経験は、将来必ず役に立つはずですので、失敗を恐れず研究に挑戦してください。

月山 陽介材料生産システム専攻
機械科学コース
助教 博士(工学)
月山 陽介

A1. 摩擦は人間関係の摩擦、貿易摩擦などのようにややネガティブなイメージがありますが、私たちの普段の生活に重要な役割を果たしています。たとえば、地面が凍っているとすべりやすくて歩きにくいのはよく知られていますが、一方で、摩擦が高すぎても、足が引っかかってしまい転倒したり足首をひねったりしやすくなります。そのため、人の歩行にちょうど良い摩擦係数というものがあります。機械もあらゆる箇所で摩擦が生じており、性能、安全性、コストなどを踏まえたちょうど良い摩擦の条件を設計に反映することがとても重要です。しかし、摩擦という現象はまだまだ未知の部分が多く、勘や経験に頼っている場面が少なくありません。本研究室では、複雑な摩擦現象から一定の法則を見い出すため、独自の評価装置や、観察・分析機器を駆使しています。対象は、機械部品から医療用のインプラントなど多岐にわたり、摩擦が介在する場面に合わせた最適な摩擦条件の提案を行っています。

A2. 大学院では最先端の研究テーマに取り組み、未知の課題に挑戦するという経験を是非積んでください。研究は地道で苦労を伴いますが、研究室の仲間と有意義な時間を過ごし、未知の現象を徐々に明らかにしていく醍醐味を味わって下さい。

阿部 晴恵環境科学専攻
流域環境学コース
助教 博士(理学)
阿部 晴恵

A1. 進化の実験場として有名な島嶼環境は、進化の行き止まりになっているのではなく、本土に逆移入することにより、その生物群集に影響を与えていることが明らかになっています。そこで、現在の勤務地である佐渡島や10年以上研究を続けてきた伊豆諸島において、本州からの植物の移入や逆移入が生態系に与える影響について、系統地理学的研究や種間相互作用系の研究を行っています。また、多雪地を代表するユキツバキと広域分布するヤブツバキの種分化について、学生とともに研究に取り組んでいます。最近の研究では、花形態がユキツバキ型でもヤブツバキ由来の葉緑体DNAハプロタイプを持っている集団や、その逆のパターンを持つ集団があることが明らかになってきました。  佐渡島にある朱鷺・自然再生学研究所や理学部臨海実験所の教員とともに、森・川・海の物質循環についての研究や希少植物の保全に関わる研究も行っています。

A2. 「ない」ことを「やらない」ことの理由にしたら前には進めません。何かを始めるのにも遅すぎることはありません。新しいことをドンドン取り入れて、自分にしかできない研究にチャレンジして下さい。