研究科長メッセージ
大学院自然科学研究科では、数学、物理学、化学、材料科学、機械科学、電気電子・情報科学、基礎生命科学、応用生物科学、農業生産科学、建設・建築学、地球科学、環境科学など、理学・工学・農学の幅広い学問分野の先端的研究に基づく大学院教育を行なっています。近年の科学・技術の進展は著しく、産業のグローバル化とともに技術開発競争が激化しています。また、科学技術の革新を通して環境を保全し、持続可能な社会の実現に貢献する人材も求められています。したがって、企業・公共団体や学術研究分野で専門家として活躍するためには、専門の深化とともに関連分野の学問も深く学び、社会の変化に対応できる力をつけることが必要です。それを達成するために、大学院自然科学研究科では、数理物質科学専攻、材料生産システム専攻、電気情報工学専攻、生命・食料科学専攻及び環境科学専攻の5専攻に各専門分野に対応する20のコースを設置すると同時に、「農と食のスペシャリスト養成プログラム」「次世代ソーラー水素エネルギーシステム人材育成プログラム」「グローバルフィールド科学人材育成プログラム」など分野の垣根を越えた特色ある教育プログラムを多数用意し、社会からの新たな要請に応えることができる人材育成を進めています。地域とともに社会の発展に寄与することも重要な使命であり、その一例として、新潟地域の特色を生かした文理融合学位プログラムとして「日本酒学コース」を現代社会研究科と連携して設置しています。
自然科学研究科の前期課程(修士2年間)あるいは後期課程(博士3年間)を修了した人には、学問分野によって「学術」、「理学」、「工学」または「農学」の修士あるいは博士の学位が与えられます。
本研究科では、学生の海外派遣と留学生の受入の両面から国際交流に積極的に取り組んでいます。博士後期課程では、東アジア地域の協定大学との連携により、2つの大学で学び、2つの博士の学位を修得するダブルディグリープログラムを実施しています。さらに、大学院修了後の社会における活躍の場を広げるために、研究科附属教育研究高度化センターを設け、国際化の推進や「博士インターンシップ」などキャリア教育にも力を入れています。博士課程学生を支援する新潟大学フェローシップ事業に加え、優秀な女性教員の育成を目的とした博士課程女子学生の特任助手任用事業を設けています。また、本研究科では、社会人特別選抜を実施しています。社会人の皆様には、先端的研究に基づく教育により活躍の場を広げて頂きたいと思います。
本研究科修了生が、高い能力と専門性を活かし、研究の最前線、地域や産業界で活躍するとともに、広く世界の発展に貢献することを心より期待しています。
大学院自然科学研究科長
松尾正之