私は1987年に他大学の修士課程を修了し、就職、Uターンを経て2023年4月に本学自然科学研究科博士後期課程に入学を許可されました。現在61歳。会社を定年になってからの再出発です。
私が大学院に合格し地元の五泉市から新潟市に引っ越すことを報告したとき、中学時代の同級生からは「なんで今更」と言われました。「生涯学習の時代なんだ」と、その時は答えましたが、自分の中になんでだろうと思う気持ちが残りました。なぜ人は学ぶのでしょうか?私はそれが楽しいからだと思います。この歳になっても学ぼうと思う理由はそれに尽きます。
楽しいと思うことは人によって様々です。学問の楽しみは、自分が知らないことを知る喜びであったり、鮮やかな理論に触れる感動であったりします。これらの楽しみは、おそらくある程度の訓練がなければ判ることではありません。
今社会人である方々は、経験がその訓練の助けになります。直接には関係がないように思える経験が勉強を補ったり、理解の助けになることは十分あり得ます。そのようなことを踏まえて、私は定年後は大学で勉強するのが普通の世の中になったらいいなと考えています。
(年齢は寄稿時)