新潟大学大学院自然科学研究科では、数学、物理学、化学、材料科学、機械科学、電気電子・情報科学、基礎生命科学、応用生物科学、農業生産科学、建設・建築学、地球科学、環境科学、また新潟の特色を生かした日本酒学など、理学・工学・農学の幅広い学問分野の先端的研究に基づく大学院教育を、5専攻19コースの教育カリキュラムを設けて推進しています。博士後期課程(いわゆるドクターコース)と博士前期課程(いわゆるマスターコース)の両方で、企業や自治体、教育機関等で働いている社会人が在職したまま学業を進めやすいよう長期履修などの制度を設けるとともに、入試においても「社会人特別選抜」を実施して、社会人学生の受け入れ体制を強化しています。実際、博士後期課程では、各年10名程度を超える社会人学生が入学し、博士号取得を目指して学業に励んでおられます。
さて、近年、人工知能・機械学習や生成系A I、グリーン・イノベーションやSDGsなど、少し以前ではあまり聞かなかった言葉が活発に議論されています。このように変化のスピードが速い科学技術社会において、大学院課程を修めることは非常に重要な意義と価値があります。自然科学研究科では、学生は研究室に所属し、指導教員とともに、現代社会や学問の各分野で課題となっている研究に携わり、特に博士後期課程では、高い研究開発能力の獲得を目指すことになります。重要なのは、実際に携わった学問分野の知識・技能が高まることだけでなく、研究経験を通して、未知・未解決の新しい課題にアプローチするための方法論、論理的な思考力、分野を超えた普遍的スキルなどを習得できる点です。企業経営においてもこのような先端的・普遍的な知見を積極的に取り込んでいく必要がある時代になってきています。欧米では、大学院修了者、特に、博士号保持者が高等教育機関だけでなく、民間企業等でも高く評価されております。我が国においてもそのような状況に今後近づいていくでしょう。
博士号取得をご検討されている社会人の皆様、および職員を派遣して新しい技術の取り込みをご検討されている企業等経営者の皆様にとって、このパンフレットが本学自然科学研究科への入学の後押しとなることを願っています。