ダブルディグリープログラム

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概要・特徴

体験談 1

DDP派遣学生としての体験談

I.T. 様

1.派遣場所

 中国地質大学武漢校 (中国)

2.目的

 私はDDP派遣学生として、新潟大学と中国地質大学武漢校の博士課程を修了しました。博士課程における私の主な研究対象は古生代ペルム紀の放散虫という微化石でした。中国は古生代ペルム紀の地層が世界的にみてもよく保存されている地域の1つとして知られており、同時代の研究を進める上では欠かせない場所です。中国地質大学武漢校にはペルム紀放散虫の専門家であるFeng Qinglai教授が在籍していることから、DDP派遣学生として同校に留学しました。

3.留学先での活動

 中国地質大学ではFeng教授に師事し、フィールドワークや室内作業などの研究活動を行いました。安徽省巣湖(Chaohu)地域、湖北省建始(Jianshi)地域、広西壮族自治区小董(Xiaodong)地域など様々な場所に赴き、フィールドワークを行いました。これらの地域でペルム紀の地層を中心とした露頭を観察し、それらの地層から岩石試料を採集しました。採集した岩石試料を薬品処理することにより、放散虫化石が抽出できます。電子顕微鏡を用いて抽出した放散虫化石を撮影しました。こうして得られた研究データを基にセミナー発表などを行い、Feng先生や他の教員・院生・学生などとの議論を通じて結果を纏めました。これらの研究成果は論文や学会発表によって公表されています。また、これらの研究活動のほかに通常の授業も受けました。

4.留学を終えての感想

 DDP派遣学生として国外の研究者やフィールドに触れることにより、貴重な経験を得ることができました。自分の博士論文の1つの大きなテーマは放散虫の分布を調べることでしたが、異なる環境・海域を比較するためにはDDPへの参加は特に大きな利点だったと言えます。また、国によって研究の進め方や捉え方、あるいは露頭の露出状況や微化石試料の保存状態なども異なります。日中両国において幅広い研究手法に触れたことは、研究そのものを理解する上でも有意義な経験となりました。一部の地域だけに留まらず、より広い視野で、アジアあるいは世界に目を向けた研究を行えるようになったと思います。このような貴重な機会を与えて頂いた新潟大学および中国地質大学武漢校、そしてそれぞれの大学で指導して頂いた松岡篤教授とFeng Qinglai教授に心より感謝致します。